外国籍の相続人がいる場合の相続登記|弁護士Q&A
外国籍の相続人がいる場合の相続登記
配偶者などの相続人の中に外国人(外国籍)がいる場合、相続登記の手続きはどうなるのでしょう?
外国籍の方が係わる相続のことを渉外相続といいますが、相続人の国籍によって手続きの方法が大きく変わってきます。(特に相続人の必要書類が変わります)
日本では被相続人が日本国籍であれば日本の法律に従って相続手続きが行われます。 そして外国籍の相続人にも日本国籍の相続人と同じ権利や義務が生じますが、「戸籍」のある外国籍の方と「戸籍」制度がない国の外国籍の方とは手続きが異なります。
- 「戸籍」制度があるのは日本、韓国、台湾の3国です。
弊社にご相談に来られる方々の多くは相続登記手続きを行う際、相続人全員の協力を得るのは困難な事から、相談者(相続人の一人)のみの申請で相続手続きを行うことがほとんどです。
相続人がすべて日本国籍の場合は被相続人や相続人たちの戸籍謄本、除籍謄本、住民票など司法書士の職権で各書類を取得できますが、例えば中国籍の相続人がいる場合は中国籍の相続人本人が中国大使館に行って発行してもらう公証が必要になります。
例)相続手続きの協力を得られない相続人の一人が中国籍(住民票あり)の場合
他の相続人(申請人)が公証役場に行き宣誓供述書を作成する。(手数料:11,000円)
この手続きによって外国籍の相続人が用意する公証に代わる宣誓供述書が作成され、相続登記手続き進められます。
相続登記手続きを通常、相続人全員の協力の元に行いますが、相続人の一人である外国籍の方から協力を得られない場合にとても有効です!!
【参考】 宣誓認証制度とは
公証人が私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)に認証を与える場合において、当事者がその面前で証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名若しくは押印し、又は証書の署名若しくは押印を自認したときは、その旨を記載して認証する制度を宣誓認証制度といいます。(公証人法58条ノ2)
この記事の監修者
司法書士
司法書士。共有持分状態での不動産相続において相続人が抱える小さな悩みやストレスも見落とさない、きめ細やかなヒアリング応対や収集物の多い共有持分での名義変更手続きでも漏れ抜けのない安定した対応で顧客から厚い支持を集める。