賃貸借契約における解除とは
賃貸借契約における解除とは
民法545条1項:「当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。…」
とあります。「解除」とは、原則としてその契約は遡及的に消滅し,契約成立前の状態に戻ることをいいます。例えば、契約が解除されると契約の当事者同士は原状に復する義務(原状回復義務)を負うことになります。賃貸借契約を解除する際には特別な規定が用意されています。
民法620条:「賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみ、その効力を生ずる。この場合において、当事者の一方に過失があったときは、その者に対する損害賠償の請求を妨げない。」
契約関係が長期にわたって継続する賃貸借契約では、今までの賃料や使用関係等まで精算することは無意味であることから、賃貸借契約の解除には遡及効は認められておらず、解除のときから将来に向かって契約関係が終了するとされています。
解除と解約の違い
解約とは、賃貸借契約のような継続的契約関係において、解除権の有無とは無関係に一方当事者の意思表示により契約を将来に向かって終了させることを言います。
一方当事者の意思表示により、一定の要件の上で契約が終了することが認められるものです。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で共有物分割や遺留分侵害額請求など相続で発生しがちな不動産のトラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。