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離縁とは

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離縁とは

離婚届のイメージ

意義:婚姻関係や養子縁組を解消すること

  • 厳密には婚姻関係の解消も離縁という場合もありますが、ここでは養子縁組の解消について解説していきます。

養子縁組の離縁には大きく2つの種類があります。

  1. 協議上の離縁
  2. 裁判上の離縁

協議上の離縁について

こちらは文字通り、協議によって離縁をします。

民法861条2項:「養子が十五歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。」

ただし、養子が15歳未満の場合は法定代理人との協議が必要です。離縁するのは子にとって大きな影響があります。まだ判断能力に乏しい15歳未満は、法定代理人を関わらせることで不利益になることを防止するようにしています。なお、「15歳未満」としているのは16歳から婚姻ができるため、15歳を基準としていると考えられます。

同条4項:「協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項の父若しくは母又は養親の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。」

とあるように、原則として協議が必要で、協議が不調、または、協議をすることができない場合に裁判所に判断を仰ぐ形になります。ここでは、「裁判」ではなく、「審判」です。

裁判上の離縁について

こちらも文字通り、裁判によって養子を解消する場合を言います。養子縁組などは基本的には裁判には向かず、あくまで例外的な方法になります。そのため、裁判上の離縁をする場合はかなり限られた場合にのみ可能です。民法には以下の場合にのみ、裁判による離縁が可能とされています。

(裁判上の離縁)
民法814条:「縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
一 他の一方から悪意にて遺棄されたとき。
二 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
三 その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。」

大きく分けて3つです。

  1. 他の一方から悪意にて遺棄されたとき。簡単に言うと放置(放っておく)こと。ここでいう「遺棄」というのは、扶養義務違反に限らずに、正当な理由なしに一般的に合理的な親子関係として要請されている精神的共同生活を破棄した場合も含むと通説では言われています。
  2. 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき。
  3. その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。

判例上、縁組を継続し難い重大な事由として言われているのは以下の内容です。

要約:「養親子としての精神的経済的な生活共同体の維持若しくはその回復が著しく困難な程度に破綻したとみられる事由があることであり、当事者双方又は一方の有責事由に限るものではない…」

「その他縁組を継続し難い重大な事由」を「精神的経済的な生活共同体の維持若しくはその回復が著しく困難な程度に破綻したとみられる事由」とし、当事者の信頼関係が回復できない程度の事由が必要としています。

例えば、暴力な侮辱、婿養子の場合で養子夫婦が離婚した場合などがこれに該当します。

参考記事:離婚後に共有名義不動産に住み続けるのはデメリットが多い!

この記事の監修者

岡田 卓巳オカダ タクミ

弁護士

弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。

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