\ 売却のご相談はこちら /

共有者が海外在住の場合、共有名義不動産の売却はどうする?

作成日:

共有者が海外在住の場合、共有名義不動産の売却はどうする?

共有者が海外在住の場合、共有名義不動産の売却はどうする?

「共有名義の不動産を売りたいけど、共有者の一人が海外に住んでいて話が進まない…」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

しかし、海外在住の共有者がいても、共有名義不動産の売却は可能です!

この記事では、海外在住の共有者がいる場合の売却方法や注意点について徹底解説します。

共有名義不動産の全体売却には共有者全員の同意が必要

共有名義不動産を売却する際には、「共有者全員の同意が必須」です。
法律では、共有名義不動産を売却する行為は「処分行為」とみなされ、共有者全員の同意がなければ成立しないことになっています。

ただし、共有者が海外に住んでいる場合、通常の手続きよりも時間と手間がかかる可能性があります。

もし、共有者の中に海外在住の方がいて、共有不動産の売却を検討している場合は、以下で紹介する売却方法を検討してみてください。

【共有者が海外にいる場合】共有名義不動産の3つの売却方法

共有者が海外に住んでいる場合、共有名義不動産を売却する方法は、以下の3つです。

  1. 帰国して共有者本人が契約手続きをする
  2. 代理人が契約手続きをする
  3. 自分の共有持分を売却する

①帰国して共有者本人が契約手続きをする

共有不動産の売買契約には、原則として共有者全員の立ち会いが必要です。海外在住の共有者が一時帰国したタイミングで、本人同席のもと売買契約の手続きを行うのが最もスムーズな方法です。

ただし、海外在住者は日本の住民票や印鑑証明を取得できないため、通常の不動産売却とは異なる書類が必要になります。必要な書類については、以下の項目で詳しく解説します。

②代理人が契約手続きをする

共有者が海外在住の場合、代理人を立てて不動産を売却する方法もあります。

代理人は家族、親族、知人、弁護士・司法書士などにすることが一般的です。
委任状には、委任内容、委任者と代理人の氏名・住所・押印が必要です。委任者・代理人の氏名は必ず自筆で記入します。

また、代理人ができることは委任状に記載された範囲内のみです。不備があると売却手続きが滞る可能性があるため、委任状作成時は委譲権限を明確に定めることが重要です。

委任状の詳しい書き方については、以下の項目でも解説します。

③自分の共有持分を売却する

共有者の中に海外に住んでいる者がいる場合も、自分の共有持分のみを売却することはできます。共有者の同意は不要で、スムーズな手続きができます。

「海外居住中のため連絡が取れない」「帰国できない状況」「代理人を立てる手続きが面倒」という場合は、持分のみの売却が最善策と言えます。

この場合は、共有持分を専門に取り扱う不動産へ相談しましょう。持分のみの売却は、一般市場では買い手を見つけることが難しいため、専門業者の力を借りるのがおすすめです。

共有持分の専門業者【仲介手数料0円】ならセンチュリー21中央プロパティー ≫

【共有者が海外の場合】不動産売却に必要な書類

海外に住んでいる方が準備すべき書類は以下の通りです。

  • 印鑑証明書・実印
  • 在留証明書(居住地国によって異なる場合あり)
  • サイン証明書
  • 権利証

印鑑証明書・実印

印鑑証明書は、市区町村に登録した印鑑(実印)が本物であることを証明する書類です。

不動産売買契約では、実印を押印した契約書に、印鑑証明書を添付するのが一般的です。しかし、印鑑証明書の発行には住民票が必要となるため、海外在住者は取得できません。そのため、海外在住者が不動産を売却する際は、在留証明書とサイン証明書で代用します。

在留証明書

在留証明書は、海外における居住を証明する書類で、日本の住民票に相当します。

在外公館で発行されます。不動産売買の際には、本人確認書類として利用されます。海外在住者が日本に一時帰国する際に、不動産売却を行う場合は、必ず在留証明書を持参するよう伝えておきましょう。

サイン証明書

サイン証明書は、本人の署名を証明する書類で、在外公館で発行されます。

海外在住者が日本で不動産を売却する際、印鑑証明書の代わりに使用されます。サイン証明書を取得する際は、領事の目の前で署名を行う必要があるため、事前に書類に署名をしてはいけません。

権利証

権利証は、不動産の所有権を証明する書類です。

「登記済証」と「登記識別情報」の2種類があり、平成18年以降は「登記識別情報」が発行されています。不動産売却の際には、権利証を法務局に提出する必要があります。紛失した場合は再発行できないため、弁護士や司法書士に相談する必要があります。

委任状(代理人を立てる場合)

不動産売却時の委任状は、不備があると後々トラブルの原因になりかねません。

トラブル防止のため、以下の内容を記載しておくことがおすすめです。

  • 物件の所在地、種類、構造、床面積
  • 売却価格・条件
  • 手付金額
  • 残代金支払い日・支払い口座
  • 引渡日
  • 契約解除の条件と違約金
  • 固定資産税の分担基準日と負担割合
  • 所有権移転登記日
  • 委任期間
  • 作成日

委任状作成時は、以下の点にも注意が必要です。

  • 曖昧な表現は避ける
  • 余白部分に捨印を押さない
  • 委任事項の最後に「以上」と明記する

曖昧な表現は、代理人の解釈次第で不利な状況を招く可能性があるため、絶対に避けるようにしましょう。捨印は、代理人が委任内容を書き換えることを可能にしてしまいます。

また、「以上」の記載がないと、委任事項が後から追加される危険性があります。

委任状の作成に不安がある場合は、不動産会社や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

売却後の税金と確定申告に注意!

海外居住者が日本の不動産を売却した場合、日本の税法に基づき所得税が課税されるため、日本の確定申告が必要となります。

計算方法などは、全員が日本在住の場合と同じですが、海外在住者の場合は、住民税はかかりません。

海外に共有者が居る場合の確定申告の流れは、以下の通りです。

  1. 所得税額を計算する
  2. 納税管理人を選任する
  3. 期限内に確定申告をする

1. 所得税額を計算する

不動産売却によって得た譲渡所得に対して、以下の計算方法で所得税額を計算します。

取得費は、不動産の購入費用や改修費用などです。譲渡費用は、売却時の仲介手数料や税金などです。

譲渡所得に税率を乗じて所得税額を計算します。税率は、不動産の所有期間によって異なります。

  • 短期譲渡所得 (所有期間5年以下): 所得税30%
  • 長期譲渡所得 (所有期間5年超): 所得税15%

関連記事:共有持分売却時の【確定申告】計算方法から必要書類まで徹底解説

2. 納税管理人を選任する

海外居住者は日本に住所がないため、確定申告や納税の手続きを代行する納税管理人を選任する必要があります。納税管理人は、日本在住が条件で親族や税理士などが一般的です。

3. 期限内に確定申告をする

確定申告は、原則として毎年2月16日から3月15日の間に行う必要があります。

確定申告書に必要事項を記入し、納税管理人の情報や不動産売買に関する書類などを添付して税務署に提出します。

買主が源泉徴収されるケース

不動産売買では、海外在住者の所得税徴収もれを防ぐために、買主が売買代金から10.21%を源泉徴収する義務があります。ただし、以下の3つの条件を全て満たす場合は、源泉徴収は不要です。

  1. 買主が個人であること
  2. 買主またはその親族が居住用として購入すること
  3. 共有持分に応じた売買価格が1億円以下であること

買取業者や投資目的の購入の場合は源泉徴収が必要です。源泉徴収された場合でも、確定申告をすることで払い過ぎた税金が還付される可能性があります。

よくある質問

共有者が海外にいても不動産を売却できますか?

A: はい、可能です。ただし、海外にいる共有者の同意が必要な場合は、手続きが通常より複雑になります。売却のために委任状を作成し、日本国内の代理人(弁護士や司法書士)に手続きを任せる方法が一般的です。

海外にいる共有者の同意を得るにはどうすればいいですか?

A: 海外にいる共有者が売却に同意している場合、公証人による「委任状(委任状の認証)」を取得し、日本に郵送するのが一般的です。国によっては「アポスティーユ(公的証明)」の取得も必要になります。事前に日本の公証役場や専門家に確認しましょう。

共有者が海外在住で連絡が取れない場合、どうすればいいですか?

A: まずは可能な限り共有者と連絡を取る努力をします。それでも難しい場合は、家庭裁判所に「共有物分割請求」や「不在者財産管理人の選任」を申し立てることで、売却の手続きを進められる可能性があります。

共有者が海外にいても持分だけを売却できますか?

A: はい、可能です。共有持分のみを売却する場合、他の共有者の同意は不要です。ただし、売却先が見つかりにくい点や、売却価格が低くなる可能性がある点には注意が必要です。専門の買取業者に相談するとスムーズに進むことがあります。

売却代金は海外に送金できますか?

A: はい、可能ですが、海外送金には国際送金の手続きが必要になります。受け取り国の送金規制や税制を事前に確認し、税務申告が必要かどうかもチェックしましょう。また、日本国内の銀行口座を利用できる場合は、そちらで受け取るのが簡便です。

海外にいる共有者が自分の持分のみを売却することもできますか?

A: はい、海外にいる共有者も自分の持分のみを売却することが可能です。

日本の民法上、共有者は自分の持分を自由に売却できるため、他の共有者の同意は不要です。ただし、必要な書類が増える(在留証明書など)、委任状が必要なケースもある、対応してくれる業者が限られる、などの点に注意が必要です。

中央プロパティーなら共有者が海外でも持分売却が可能!

センチュリー21中央プロパティーは、共有持分を専門に取り扱う不動産会社です。

一般市場では、買い手を見つけることが難しい共有持分のみの売却も、独自の販売ルートと豊富な専門知識を駆使して、最短7日でご売却が実現します。

仲介手数料やその他費用は0円ですので、以下のようなお悩みを抱えてる方はぜひご相談ください。

  • 共有者が海外で連絡が取りにくい
  • 共有者が海外のため不動産売却の手続きが面倒
  • 早く現金化したいのに手続きが進まない

この記事の監修者

岡田 卓巳オカダ タクミ

弁護士

弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。

おすすめの記事はこちら