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共有持分の買取業者はトラブルになりやすい!?売却後のトラブルを防ぐ方法とは

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共有持分の買取業者はトラブルになりやすい!?売却後のトラブルを防ぐ方法とは

共有持分の買取業者はトラブルになりやすい!?売却後のトラブルを防ぐ方法とは

共有持分の売却は、適切な買取業者を選ばないとトラブルの原因となることがあります。

共有持分は、一般市場での売却が難しいため、買取業者へ依頼する方が多いのが現状です。
しかし、悪質な買取業者に持分を売却することで、後々共有者とトラブルになったり、最初に聞いていた査定額から実際の買取価格が大幅に下がったりするケースがあります。

本記事では、共有持分の買取業者でよくあるトラブルとトラブルを防止するための対策について、解説します。

共有持分の「買取業者」とは?

共有持分の買取業者とは、共有状態にある建物や土地の買取を専門とする不動産会社のことです。

不動産を買取した後は、他の共有者に対し、「持分を売ってほしい」と交渉を行います。
他の共有者の持分をすべて買い取った後、不動産を転売して利益を得るという収益構造になっています。

共有持分専門の買取業者は、複雑な権利関係や相続問題を抱えた案件にも対応してくれるため、早く共有関係を解消したい場合に頼もしい存在です。

一方で、悪質な買取業者も一部存在するため、トラブルを防ぐために慎重に業者を見極めることが大切です。

共有持分を買取業者に売却することで起こり得るトラブルの例

共有持分を買取業者に売却する際、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

  • 他の共有者との関係性が悪化する
  • 悪質な業者に売却してしまう
  • 買取価格が安い
  • 新たに共有者となった買取業者と他の共有者が揉める
  • 他の共有者が賃料を請求される
  • 他の共有者の持分が相場よりも安く買取される可能性がある

他の共有者との関係性が悪化する

共有持分を買取業者に売却することで、他の共有者との関係が悪化する可能性があります。

自分が所有する共有持分は、他の共有者の同意なく、所有者自身の意志で手放すことが可能です。

しかし、共有持分の売却や譲渡によって、他の共有者との関係に大きな影響を与える可能性があります。

特に、家族や親族間で共有している不動産では、「勝手に売却された」「信頼を裏切られた」と感じる共有者がいるかもしれません。

また、買取業者が共有持分を取得すると、業者は残りの持分を買取するために他の共有者に対し売買の交渉を行ったり、裁判を提起したりすることがあります。

持分を売却することで、せっかく共有関係を解消できたにも関わらず、売却後も共有者とトラブルが継続することは心理的にも大きな負担になります。

悪質な業者に売却してしまう

不動産市場には、残念ながら悪質な買取業者も存在し、売主に不利な取引を強いることがあります。

例えば、相場よりも著しく低い価格で買い叩こうとするケースは典型的な手口です。

共有持分は、単独所有の不動産に比べて市場での流動性が低いため、正確な価格を把握することが難しいという弱点があります。
悪質な業者はこの点を利用し、「この持分には価値がない」「他では買取してもらえない」などと売主の不安を煽り、不当に安い価格で買取しようとします。

また、強引な営業で契約を迫るケースも後を絶ちません。
「今すぐ売らないと損をする」「この機会を逃したら二度と売れない」などと、虚偽の説明や誇大な表現を用いて、売主を精神的に追い詰めることもあります。

さらに悪質なケースでは、契約書の内容を曖昧にしたり、売主にとって不利な条項を勝手に盛り込んだりすることもあります。
契約内容を十分に理解しないまま署名・捺印してしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

買取価格が安い

共有持分は単独名義の不動産とは異なり、

  • 不動産の活用に際して、他の共有者と常に協議する必要がある
  • 不動産の利用や処分に制限があり、自由に活用できない

といった要因で買い手が限られます。

そのため、買取業者は市場価値よりも低い価格で買取を提案することが一般的です。

買取業者は、共有状態の持分を安く取得し、最終的に不動産全体を取得したうえで高額転売し、利益を得るビジネスモデルを採用しています。

わかりやすく言えば、「安く買って高く転売したい」というのが、買取業者の本音なのです。

購入額(=業者側から見た共有持分の仕入れ額)と売却額の差で利益を出そうとするがあまり、市場価値をさらに下回る価格での買取を提案する買取業者も存在します。

したがって、相場を知らないまま売却を了承してしまうと、大きな損失を被る可能性があります。

実際に買取業者に共有持分を売却した方の中には、市場価値の半分以下の価格で売却してしまった、将来的な値上がり益を考慮せずに安易に売却してしまったなどのケースがあります。

新たに共有者となった買取業者と他の共有者が揉める

買取業者に共有持分を買取してもらった後は、買取業者が新たな共有者として加わることになります。
業者が新たな共有者になることで、既存の共有者との間で様々なトラブルが発生する可能性もあるのです。

買取業者は、最終的に物件全体の取得や転売を目指しているため、他の共有者に対して強引な交渉や追い出しを行う可能性があります。

具体的には、共有物分割請求訴訟を起こして他の共有者を困らせたり、共有物の管理や使用に関して過度に干渉したりするケースがあります。

他の共有者が賃料を請求される

共有持分の売却後に、新しい共有者が他の共有者に賃料を請求することがあります。

共有者の中に、共有不動産を独占している者がいる場合、他の共有者は持分割合に応じた賃料を請求する権利があります。

そしてその権利は、売りに出されている共有持分を購入し、新たに共有者として加わった者にも認められます。

家賃請求は、法的に認められた権利とは言え、これまで家賃を払わずに共有不動産を独占していた共有者にとっては、不快感を覚えることも珍しくありません。

他の共有者の持分が相場よりも安く買取される可能性がある

共有持分を買取業者に売却すると、他の共有者の持分も相場より安く買取されてしまう可能性があります。

多くの買取業者は、最終的に不動産全体を取得し売却することを目的としています。したがって、他の共有者に対しても持分の買取を持ちかけることが一般的です。

しかし、業者はできるだけ安く共有持分を買取したいと考えるため、提示される買取価格は相場より低くなる傾向にあります。

「共有状態のままでは不動産の価値が下がる」「持分を売らないと裁判で共有物分割を求められる可能性がある」といったことを伝え、共有者に圧力をかけるケースも珍しくありません。

他の共有者も相場を十分に確認しないまま売却を決断してしまい、本来よりも低い価格で手放してしまうリスクがあります。
結果として、他の共有者は大きな損をしてしまう可能性があるのです。

共有持分の買取業者とのトラブルを回避する方法

共有持分の買取業者とのトラブルを回避するには、以下の方法があります。

  • 複数の業者に査定を依頼する
  • 業者の実績と評判を確認する
  • 売却後のフォロー体制(弁護士)を確認する

複数の業者に査定を依頼する

適切な価格で共有持分の買取をしてくれる業者を見つけるためにも、なるべく複数の業者に査定を依頼しましょう。

複数の業者が提示した最低額を比較することで市場相場を把握できるため、もし不当に安い査定額を提示されたとしても気づきやすくなります。
買取業者によっては無料で査定を実施してくれるところもありますので、ぜひ気軽に利用してみましょう。

業者の実績と評判を確認する

信頼できる買取業者を選ぶためには、その業者の買取実績と評判を十分に調査する必要があります。

インターネット上の口コミや評価サイトを参考にすることはもちろん、可能であれば過去の取引実績や顧客の声を直接確認することをおすすめします。

ただし、悪質な業者の中には、ネガティブな口コミを削除したり、偽の好意的な評価を掲載したりして、印象操作を行っているケースもあります。
そのため、複数の情報源を組み合わせて総合的に判断することが大切です。

また、業者の公式ウェブサイトや会社案内などで、事業内容や会社の沿革、代表者のプロフィールなどを確認することも有効な手段です。
長年の実績がある業者や、業界内で評価の高い業者を選ぶことで、トラブル発生のリスクを軽減できます。

売却後のフォロー体制(弁護士)を確認する

共有持分の取引には複雑な法律問題が絡むため、法的な知識がないまま進めると、不利な条件で契約を結んでしまったり、思わぬトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。
そのため、「弁護士と提携している」とうたっている買取業者であっても、実際にどのようなサポートが受けられるのかを事前に確認することが重要です。

多くの買取業者は「顧問弁護士と提携している」とアピールしていますが、実際には弁護士が契約に直接関与しないケースも少なくありません。
実態として、弁護士は業者の法律相談を担当するだけであり、売主の立場に立って契約書をチェックしたり、売却後のフォローをしたりするわけではない、というケースも少なくないのです。

買取業者を選ぶ際は単に「弁護士と提携しているかどうか」ではなく、「売却後のフォロー体制や契約の立ち会いに弁護士が関与しているか」という点を確認しましょう。

また、弁護士と提携しているという事実だけで業者を信用するのではなく、その弁護士がどのような専門知識を持ち、どの程度の実績があるのかを確認することも大切です。

共有持分の仲介業者とは?買取業者との違い

「買取業者」と「専門仲介業者」の決定的な違いは、ズバリ“目的”です。

できるだけ安く仕入れたい「買取業者」と、できるだけ高く売りたい売主とは利益が相反する関係です。

しかし、売主の希望に沿った買主を探す「専門仲介業者」にとっては、持分を“安く売らせたい”希望はありません。

むしろ専門仲介業者は、売却価格が高くなるほど得られる仲介手数料に反映されるというメリットがあります。

買取業者専門仲介業者
ビジネスモデル共有持分を売主から直接買取し、最終的に不動産全体を取得したうえでの高額転売を目指す。共有持分の売主と買主を仲介し、売買契約成立時の仲介手数料で利益を得る。
売主との関係性売主と買取業者の直接取引のため、価格交渉がしにくい。売主と買主の間に仲介業者が入るため、価格交渉がしやすい。
目的できるだけ安く仕入れること(売主とは利益が相反する)。できるだけ高く売ること(売主と利益が一致)。

共有持分を専門に取り扱う仲介業者は、売主と同じ目的で買主をつなぐ役割を果たし、適切な買い手を見つけるサポートを行います。
専門の仲介業者を利用するメリットは、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高いことです。

仲介業者は市場価格に近い金額で買主を探してくれるため、買取業者よりも有利な条件で売却できる可能性があります。

また、仲介業者が複数の買主候補を探してきてくれるため、一人の購入希望者に限定されることなく、より良い条件を提示してくれる相手を選ぶことができます。

共有持分の買取を依頼する時の注意点と業者の選び方

共有持分の買取を依頼する際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 複数業者に査定を依頼する
  • 担当者の知識や専門性を比較する
  • 業者の実績と口コミを調査

共有持分を売却する際は、買取業者と仲介業者の違いを十分に理解し、ご自身のニーズに合った方法を選択することが重要です。
トラブルを避け、適正な価格で売却するためには、以下の点に注意を払う必要があります。

まず、複数の業者に査定を依頼し、価格や条件を比較することが大切です。
これにより、市場相場を把握し、不当に安い買取価格を提示する業者を見分けることができます。

また、各業者の対応や提案内容を比較することで、信頼できる業者を選ぶ際の参考にもなります。

さらに、業者の実績と評判を十分に調査することをおすすめします。
インターネット上の口コミや評価サイトを参考にするだけでなく、可能であれば過去の取引実績や顧客の声を直接確認することで、より信頼性の高い情報を得ることができます。

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この記事の監修者

岡田 卓巳オカダ タクミ

弁護士

弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。

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