共有持分の評価は不動産鑑定士に依頼しよう【無料】|共有持分の売却・買取
共有持分の評価は不動産鑑定士に依頼しよう【無料】
「売却予定の共有不動産を査定してもらったが、値段に納得できない」
「不動産鑑定士に鑑定してもらいたい」
共有不動産の売却をする場合、少しでも高く売りたいと思うのも当然です。しかし実際には、不動産会社の査定額が予想よりも低く納得できない場合も少なくありません。
本記事では、共有不動産を少しでも高く売りたい方に向けて、不動産鑑定士による評価がなぜ重要になるのか解説しています。
1.不動産鑑定士とは
共有不動産を高く売るために、不動産鑑定士は重要な位置にあります。不動産鑑定士はどのような役割や仕事を担っているのかなど概要を知っておきましょう。
1-1 国が認めた不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律により規定された唯一の国家資格者です。
不動産鑑定士試験は司法試験や公認会計士試験と並ぶ難関試験とされています。短答式試験と論文式試験のどちらにも合格する必要があり、最終合格率は約5.96%(令和4年度試験)です。
したがって不動産鑑定士は、不動産に関する豊富な専門知識を有しており、不動産鑑定評価のエキスパートとして信頼できます。
不動産の鑑定は不動産の経済価値を判定して価額に表示することであり、不動産鑑定士にしか許されていない業務です。不動産会社が行う査定とは異なり、厳格なルール(不動産鑑定評価基準)が定められています。
不動産鑑定士の鑑定は公示地価にも活用されているとおり高い信頼性があるため、共有不動産や共有持分を売るときにも、買い手が広がり、より高く売れるといった効果を見込めます。
1-2 不動産鑑定士の仕事内容
不動産鑑定士の仕事内容として代表的なのは、不動産の鑑定評価です。他にも、豊富な知識と実務経験を活かして取引事例の調査・分析、不動産の利用や取引、不動産投資に関するコンサルティングなど多岐にわたります。
以下が不動産鑑定士の主な仕事内容です。
- 地価公示における評価
- 相続税路線価の評価
- 固定資産税における評価
- 競売不動産の評価
- 不動産売買の参考としての評価
- 適正賃料の評価
- 相続を含む共有不動産の評価
- 共有持分の評価
- 不動産の投資・開発に関するコンサルティング
- 不動産の有効活用に関するコンサルティング
相続を含む共有不動産の適正な価格を把握したり、共有持分を評価したりするのも、不動産鑑定士の業務の1つです。
1-3 共有持分における不動産鑑定の重要性
相続や共同購入によって不動産を取得した場合、一つの不動産を複数人で所有することになります。その際の各共有者の所有権割合を「共有持分」と言います。自分の共有持分だけ売却しようとしたとき、単純に持分割合に応じて不動産の価格を按分した額になるとは限りません。
仮に不動産の価格が5,000万円で持分割合が2分の1ずつのとき、それぞれ2500万円で売却できるとは限らないことを指しています。
ではなぜ、単純に不動産の全体評価額を按分した額で売却できないのでしょうか。理由は、2つあります。
- 共有持分では、不動産の管理や処分に他の共有者の同意が必要になるため
- 共有者間で何かしらのトラブルが発生しているケースが多いため
共有持分を購入する買主の立場で考えてみましょう。
共有持分のみを購入しても、他の共有者が占拠していたり、リフォームに反対する共有者がいる場合、買主は不動産を自由に活用することができません。
また、共有持分の売却を考える方は、何かしら共有者間でトラブルを抱えているケースが多く、購入後に買主ともトラブルになるリスクがあります。そのため、トラブルの内容が直接共有持分の評価にも影響するのです。
このように、共有持分の査定は一筋縄ではいかないことが多く、様々な条件によって評価額が算出されます。ロジックは理解できても、実際算出された評価額を見て、「なぜこんなに低い査定額なの?」と納得できない方は少なくありません。
買取業者の中には、担当者の感覚や近隣の売買実績等をもとに、自社で買取りたい著しく安価な査定額を算出する業者もあります。そのような買取業者は、査定の根拠を聞いても明示してくれません。
「共有持分だから仕方ない」と諦めるのではなく、査定額の根拠を知り、納得して売却することが共有持分の売却で後悔しないための大切なポイントになります。
2.不動産鑑定士による不動産の評価方法
不動産鑑定士による鑑定評価は国が公表する公示地価や、裁判の証拠などにも活用されます。このように不動産において重要な意味を持つ鑑定評価がどのように行われているのか、概要を紹介します。
2-1 不動産の評価方法
不動産の評価方法には、次の3つがあります。
- 取引事例比較法
- 収益還元法
- 原価法
鑑定の精度を高めるため、どれか1つの方法で鑑定評価額を決めるのではなく、複数の方法を組み合わせて鑑定評価額を決めることが重要です。
取引事例比較法は、不動産の取引事例を収集し、その取引価格から試算価格(比準価格)を求める方法です。近隣地域などで類似不動産の取引が多く行われている場合に有効な手法とされています。
収益還元法は、将来生み出すと期待される純収益の現在価値を合計して試算価格(収益価格)を求める方法です。賃貸用不動産だけでなく、事業用の不動産でも適用すべきとされています。
原価法は、標準的な建設費に付帯費用を加算した再調達原価について、老朽化などを考慮した減価修正をして試算価格(積算価格)を求める方法です。再調達原価を適切に把握でき、減価修正も適切に行える場合に有効とされています。
2-2 不動産評価に影響する要因
不動産の評価方法は前節で述べた通りですが、評価そのものに影響する要因もあります。大別すると以下の3つです。
- 一般的要因
- 地域要因
- 個別的要因
一般的要因には、地盤の状態や位置関係、人口状態、金融状態、土地計画の状態、住宅政策の状態などが含まれます。
地域要因とは、不動産の価格形成に全般的な影響を与える要因です。住宅地域においては、気象状態や都心との距離、水道・ガスインフラの状態、騒音等の公害の発生程度などが含まれます。
個別的要因とは、不動産に個別性を生じさせるとともに、価格に影響する要因です。建物においては、築年数、面積、構造、材質、耐震性、維持管理状態などが含まれます。
このような価格形成要因を考慮したうえで、紹介した評価方法を組み合わせて鑑定評価額が決定されます。
2-3 不動産鑑定評価書に記載される内容
不動産鑑定評価書は、不動産の鑑定評価の成果が記載された専門的文書であり、信頼性のある文書です。不動産鑑定評価書には次の事項が記載されています。
- 鑑定評価額
- 鑑定評価の対象となった土地・建物などの表示
- 依頼目的その他鑑定評価の条件
- 鑑定評価額の基準年月日と鑑定評価を行った年月日
- 鑑定評価額の決定の理由
- 不動産鑑定士の対処不動産に関する利害関係など
不動産鑑定評価書は、共有不動産全体はもちろん共有持分の評価にも活用される重要な書類です。裁判になった場合には、裁判所が判決を出すために参考にする証拠にもなります。もちろん、裁判に至る前の協議や調停においても、具体的な分割方法を検討するうえで重要な資料です。
2-4 不動産鑑定士以外の評価方法
不動産鑑定士以外にも、不動産を評価する方法があります。一般的に不動産会社が行う査定が該当し、机上査定や訪問査定、AI査定に分けられます。
机上査定とは、所在地や建物の構造、面積、築年数など大まかな情報をもとに、周辺の取引事例などから簡便に評価する査定方法です。大まかな目安であるため、参考程度として位置付けられます。
訪問査定とは、使用している部材や維持管理・リフォーム、通風の状態など、不動産会社が実際に状態を確認して評価する査定方法です。机上査定よりも高い精度を得られます。
AI査定とは、大量の取引データから構成されるデータベースに基づいて、AIが査定額を算出する査定方法です。ネット上で必要情報を入力すれば短時間で査定額を算出できるため、気軽に利用できます。
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3.不動産鑑定士が評価するメリット
不動産会社による査定ではなく、不動産鑑定士が鑑定するメリットを紹介します。
前提として、査定は不動産会社が定めた独自のルールでおこなわれ、鑑定は国土交通省が定めた不動産鑑定評価基準でおこなわれます。
査定と鑑定の違いを踏まえながら、それぞれ確認していきましょう。
3-1 鑑定額の根拠が明確で納得しやすい
不動産鑑定士による鑑定額は、根拠が明確で納得しやすい点がメリットです。不動産鑑定評価書には、鑑定額を決定した理由が詳しく記載されています。難しくて理解できない可能性もありますが、納得いくまで説明を受けることも可能です。
また、鑑定額は裁判所が参考にするほど客観的な信頼性も確保されています。そのため、遺産相続や共有不動産・共有持分の売買の際に、適正な価格で平等に分けられます。鑑定額があれば、話し合いもスムーズに進めやすくなるでしょう。
3-2 買い手が見つかりやすい
共有不動産や共有持分の買い手には不動産会社や投資家がほとんどです。
収益物件としての購入を検討する不動産会社や投資家にとって、不動産鑑定士が作成した鑑定書は、投資対象として有効か否かを判断するための重要な役割を果たします。
当然、買い手が多いほど高く売れやすくなる傾向があります。買い手を幅広く募るためにも、適正な価格が記された鑑定評価報告書が欠かせません。
3-3 市場価格に近い適正価格で売却が可能
不動産鑑定士に評価してもらうと、市場価格に近い適正な価格での売却が見込めます。共有持分だからといって、不当に低い価格で買い取られる可能性を避けられます。
3-4 遺産分割協議がスムーズに進む
不動産鑑定士に評価してもらうと、遺産分割協議がスムーズに進むことも期待できます。遺産分割に限らず、共有不動産においては相続人(共有者)間で不動産や共有持分の評価額を争うケースが少なくありません。
特に代償分割をする場合は、単独所有する人にとっては低い評価額なら支払う金額を抑えられ、共有持分を売る人にとっては高い評価額なら多く受け取れるといった利益相反関係が生じるからです。
不動産鑑定士から評価を受けると共有者間で適正な金額を把握できるため、評価の争いを避けてスムーズな協議を期待できます。また、不動産を売却したくても他の共有者が同意してくれない場合にも、鑑定額を示すと売却に同意してくれるかもしれません。
3-5 共有物分割訴訟時の価格争いを避けられる
協議が不調に終わり共有物分割訴訟に発展したときも、不動産鑑定士からの評価を受けると価格争いを避けられます。不動産会社の査定書は裁判所における証拠として十分ではありませんが、不動産鑑定士の鑑定評価報告書なら十分に適正な価格を証明できるからです。
不動産鑑定士に評価を依頼すると費用はかかりますが、価格争いを避けて早期解決ができると、裁判所に出頭する期日や提出する書類が減るため裁判にかかる費用は抑えられます。また、価格争いを長期化しないことにより、共有者間の人間関係の悪化も最低限に抑えられるかもしれません。
4.共有不動産を高く売る方法
それでは、共有不動産を高く売る方法を3つ紹介します。
- 複数社を比較する
- 買取業者と仲介業者のちがいを理解する
- 共有不動産の鑑定ができる不動産鑑定士を探す
4-1 複数社を比較する
共有不動産を高く売るために複数社から評価を受けて比較することは基本です。一般的には相見積もりと呼ばれます。
しかし、不動産鑑定士からの評価を複数受けると費用が発生してしまうほか、無料で評価してくれる不動産会社も共有不動産を扱っていない場合が少なくありません。街中にある不動産会社に相談して共有不動産の査定を断られることもあります。
そのため、まずは共有不動産の売買実績が豊富な不動産会社を探したうえで、複数社から評価を受けて結果を比較しましょう。
また、可能であれば複数の不動産屋に足を運んで直接訪問して、売却までのロジックやスケジュールを詳しく聞きながら、会社の規模やスタッフの対応を見て最終的に見極めるのがいいでしょう。
4-2 買取業者と仲介業者のちがいを理解する
共有不動産または共有持分を売るとき、不動産会社の立場(ビジネスモデル)には買取業者と仲介業者の2つがある点を理解しておく必要があります。一般的に高く売れるのは、買取業者よりも仲介業者であるためです。
買取業者の場合、共有不動産または共有持分を自社が買い取って再販売したり、他の共有者と交渉をして売却などの活用を図ったりします。
再販売にかかる費用と利益、他の共有者との交渉にかかる労力や費用と利益、十分に活用できない場合のリスクなどを考慮しなければ利益が出せないため、通常、買取業者は相場より著しく安い価格でしか買い取れません。
つまり買取業者は、利益を出すために安く買わなければならない立場(ビジネスモデル)です。
他方、専門の仲介業者の場合、共有不動産または共有持分を不動産会社ではなく第三者が購入します。仲介業者は売却や活用に関する負担を負わないため、買取業者よりも高い価格で売買を成立しやすいです。
仲介業者としては売買金額に応じて手数料(報酬)を受け取るため、むしろ高く買ってくれる買主を探すほど利益は大きくなります。
以上のとおり、一般的に高く売れるのは仲介業者であるため、高く売ることを重視する場合は仲介業者に相談するのがおすすめです。
4-3 共有不動産の鑑定ができる不動産鑑定士を探す
共有不動産の鑑定ができる不動産鑑定士を探すことも、高く売るためのポイントです。前述のとおり、共有不動産または共有持分の鑑定は、不動産鑑定士であっても容易ではありません。
したがって高く売るためには、共有不動産の鑑定ができる不動産鑑定士と提携していて、かつ、仲介業者である不動産会社を選ぶのがおすすめです。
まとめ
高く売るためには、共有不動産や共有持分に対応できる不動産鑑定士と提携していて、かつ、仲介業者である不動産会社に相談するのがポイントです。
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「共有持分を高く売りたい」「他社の査定額に納得できない」という方は、ぜひ当社へ一度ご相談ください。調査報告書をもとに査定額の根拠を丁寧にご説明いたします。
この記事の監修者
不動産鑑定士
不動産鑑定士。株式会社大村不動産鑑定事務所代表。不動産鑑定評価業務をはじめ、価格査定、意見書作成など不動産の価格に関するスペシャリスト。業者によって査定額に大きな差が生じやすい共有持分の不動産鑑定において市場動向を考慮した査定には定評がある。