空き家の名義変更を徹底解説!相続登記の費用を抑えるコツとは?
空き家の名義変更を徹底解説!相続登記の費用を抑えるコツとは?

不動産を相続した場合、空き家であっても、名義変更の手続き=相続登記が必要です。
この記事では、空き家の名義変更(相続登記)の必要性、手続きの流れ、費用、そして相続登記の費用を抑えるコツまで、わかりやすく解説します。
空き家の名義変更をしないとどうなる?
空き家の名義変更をしないと、将来的に様々な問題が発生する可能性があります。
- 相続登記義務化の罰則を受ける
- 売却・活用が困難になる
- 所有権や借地権を主張できない
- 防犯上の問題で近隣トラブルになる
- 特定空き家に認定され固定資産税が6倍になる
相続登記義務化の罰則を受ける
2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。正当な理由なく相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。空き家の名義変更を放置すると、この罰則の対象となる可能性があります。
売却・活用が困難になる
空き家の名義変更をせずに放置すると、売却や活用が困難になります。売却するには、所有権の明確化が必要となります。また、活用する場合でも、名義人が不明瞭だと、融資を受けにくくなる可能性があります。
所有権や借地権を主張できない
名義変更を怠ると、所有権や借地権を主張できない可能性があります。例えば、第三者が所有権を主張してきた場合、名義変更がされていなければ、反論することが難しくなります。
防犯上の問題で近隣トラブルになる
空き家は、防犯上の問題から、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。不法侵入や放火、ゴミの不法投棄などが発生し、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
特定空き家に認定され固定資産税が6倍になる
空き家は、特定空き家に認定されると、固定資産税が最大6倍に増額される可能性があります。特定空き家とは、倒壊の危険性や衛生上の問題など、周辺環境に悪影響を与える空き家のことです。
相続登記の義務化とは?
2024年4月1日より、不動産の相続登記が義務化されました。これは、所有者不明土地の増加による様々な社会問題への対策として、民法等の一部を改正する法律が施行されたことによるものです。
従来、相続登記は義務ではなく、放置されることで所有者不明土地の増加に繋がっていました。所有者不明土地は、適切な管理が行われないため、防災、衛生、景観などの面で地域社会に悪影響を及ぼすだけでなく、土地の有効活用を阻害する要因ともなっていました。
相続登記の義務化により、相続人は、被相続人の死亡を知った日から3年以内に、相続した不動産の所有権移転登記を申請する義務を負うこととなりました。正当な理由なくこの義務を怠ると、10万円以下の過料に処せられる可能性があります。
ただし、相続人が所有権を取得する意思がない場合など、一定の要件を満たせば、相続放棄の申述を行うことで、相続登記の義務を免れることができます。
罰則が免除される正当な理由とは
相続登記の義務化では、相続を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務付けられていますが、正当な理由があれば、この義務を免れることができます。
正当な理由の具体例は以下のとおりです。
- 相続登記を放置したために相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の必要な資料の収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース
- 遺言の有効性や遺産の範囲等が争われているケース
- 申請義務を負う相続人自身に重病等の事情があるケース
また、遺産分割協議によって不動産を取得した場合も法改正の対象となっています。この場合、遺産分割協議が成立した日から3年以内に登記の手続きをしなければなりません。
これらのケース以外にも、個々の事情に応じて正当な理由が認められる可能性があります。
期限内に申告できない場合はどうなる?
相続登記の義務化に伴い、期限内に相続登記ができない相続人を救済する目的で、「相続人による申告制度」という制度が新しく作られました。
相続登記を簡単に履行できる制度で、以下2つの点を3年以内に申し出れば、義務を果たしたとみなされます。
- 所有権の登記名義人について相続が開始した旨
- 自らがその相続人である旨
上記の申請を行い審査を通過すれば、義務を履行したものとみなされます。
ただし、相続人申告制度は、従来の相続登記とは性質が異なります。そのため、制度の特徴を理解した上での手続きが必要です。制度の特徴は、以下をご参照ください。
- 相続人が複数存在する場合でも特定の相続人が単独で申出可(他の相続人の分も含めた代理申出も可)
- 法定相続人の範囲及び法定相続分の割合の確定が不要
- 申出をする相続人自身が被相続人(所有権の登記名義人)の相続人であることが分かる当該相続人の戸籍謄本を提出することで足りる
この制度は、すぐに相続登記できない事情がある場合などに、活用できる制度です。
空き家の名義変更手続きに必要な書類
空き家の名義変更に必要な主な書類は、以下のとおりです。
- 登記申請書
- 遺産分割協議書
- 固定資産評価証明書
- 印鑑証明書・住民票・戸籍謄本(相続人全員分)
- 被相続人の除籍謄本・除票
被相続人(故人様)の除籍謄本は、出生から逝去まで書かれているものが必要です。離婚や再婚を繰り返している場合は除籍謄本が複数枚にわたる場合があります。
また、故人様が残した遺言書があるのであれば、遺言書も添付書類の1つとして必要です。
空き家の名義変更手続きの流れ
名義変更の手続きは、以下の流れで進めていきます。
- 登記所(法務局・支局)で登記謄本を取得
- 戸籍謄本や住民票を取得
- 固定資産評価証明書を取得
- 遺産分割協議書を作成
- 相続登記申請書を作成
- 登記所(法務局・支局)へ必要書類を提出
1.登記所(法務局・支局)で登記謄本を取得
現在の不動産が誰の名義になっているかを確認します。不動産によっては、父から相続したはずが、名義人は祖父になっていたといった事態もめずらしくありません。名義人によって必要な書類が変わるため、一番初めに行う手順です。
2.戸籍謄本や住民票を取得
法定相続人全員の戸籍謄本と新しく名義人となる人の戸籍謄本、被相続人(故人様)の除籍謄本を取得します。住民票も同様です。
3.固定資産評価証明書を取得
固定資産評価証明書を取得します。資産価値は毎年変わるため、名義変更をする年度の証明書を取得しましょう。
4.遺産分割協議書を作成
申請者みずから制作します。
5.相続登記申請書を作成
相続登記申請書を作成します。相続人自身が作成するもので、特定のフォーマットはありません。記入する項目や作成例は法務局のホームページで確認できます。
6.登記所(法務局・支局)へ必要書類を提出
必要書類を登記所へ提出したら、名義変更の手続きは完了です。
なお、手続きは窓口へ直接持ち込む方法以外にも、郵送・オンライン申請のいずれかから選べます。手続き先は、相続した不動産がある自治体の登記所です。
空き家の名義変更にかかる費用
名義変更に必要な費用は、書類の取得にかかる費用と手続きにかかる費用に分けられます。書類は、相続人全員分が必要なものが多いため、相続人が多いほど費用負担が大きくなります。
空き家の名義変更にかかる主な費用は、以下の通りです。
費用内訳 | 費用 |
登記簿謄本 | 450円~600円 |
固定資産税評価証明書 | 200円~400円×相続する不動産分 |
戸籍謄本 | 450円程度×相続人分 |
除籍謄本 | 750円×必要枚数 |
住民票 | 200~400円分×人数分 |
除票 | 200円~400円 |
登録免許税 | 不動産の固定資産税評価額×0.4% |
司法書士への報酬 ※代行の場合 | 6~13万 |
空き家の名義変更手続きは、想像以上に手間と時間がかかります。そのため、司法書士へ手続きの代行を依頼するのが一般的です。
相続登記の費用を抑えるコツ
相続登記の費用を抑えるには、以下2つの方法があります。
- 自分で相続登記を行う
- センチュリー21中央プロパティーに依頼する
自分で相続登記を行う
相続登記の費用を抑える方法として、自分で手続きを行う選択肢があります。必要書類を収集し、法務局に申請することで、司法書士への報酬を節約できます。
必要書類を準備し、相続人自身が登記申請書を作成・提出します。
ただし、書類の不備があると手続きが滞るため、事前に法務局で相談するか、専門家のサポートを部分的に利用すると安心です。
センチュリー21中央プロパティーに依頼する
センチュリー21中央プロパティーでは、相続した不動産のご売却が前提であれば、相続登記にかかる売主様の負担は0円です。

相続人が多い場合も、相続不動産を専門に扱ってきたこれまでの豊富な経験を活かし、スムーズな手続きで迅速に対応します。専門家と連携し、必要な書類や手続きを効率よく進め、相続登記や不動産の分割が円滑に行えるようサポート。期限が迫っていてもご安心ください。
相続登記&ご売却事例
相続登記と同時に共有持分を売却した事例
- 売却金額6,000万円
- 持分:1/3
- 地域:東京都世田谷区
【経緯】
Aさんは、不動産を3人で相続しましたが、登記手続きが煩雑であることに悩んでいました。さらに、Aさん自身は、相続した不動産の活用予定がなく、今後固定資産税を支払っていくことに不安を抱いていました。
そこで、CENTURY21中央プロパティーに相談。専門のスタッフが相続登記と共有持分の売却を同時に進めることで、Aさんの2つのお悩みを同時に解決することができました。
他の相続人との調整をスムーズに解決
- 売却金額5,200万円
- 持分:1/10
- 地域:東京都新宿区
【経緯】
Bさんは、兄弟5人で実家を相続しましたが、5人とも不動産の活用予定がなく空き家になることを不安に感じていました。
相続登記と同時に共有名義不動産の売却をCENTURY21中央プロパティーに相談。
部屋の中に残っていた家財道具の処分費用や相続登記の費用負担なしで、不動産を売却することができました。

この記事の監修者
司法書士
司法書士。愛媛県出身。慶應義塾大学卒業。司法書士森川英太事務所代表。東京司法書士会所属。一般社団法人 相続総合支援協会 代表理事。スピードが求められる共有持分の相続手続きにおいて、丁寧で迅速な対応が顧客から好評を博す。