土地の分筆とは?メリット・デメリットや費用を徹底解説
土地の分筆とは?メリット・デメリットや費用を徹底解説
目次
分筆(分筆登記)とは
まず分筆とは、「登記簿上2つの土地に分けること」をいいます。
例えば、「甲土地が存在し、その土地を兄弟で分けて所有し利用したい」というような場合、甲土地を半分に分けてそれぞれ登記することで、独立した土地として扱われます。
- 分筆登記がなされると、分筆された土地には新たな地番がつけられ、独立した土地として登記され、公図(地図)にも分筆した線が引かれ、新たな地番が記載されることになります。
- 登記簿上の変更をせず、建築基準法を満たす机上の土地の線引きをすることを「分割」といいます。分筆は土地の分割とは異なり、分けられた2つの土地が登記上別々の土地になります。なお、土地の面積が0.01平方メートル未満になる分筆は行うことができませんので、注意が必要です。
分筆と分割の違い
分筆と似た概念で、分割というものもあります。分筆は登記簿上も別々の土地となることを指しますが、分割は登記簿上では分かれていません。ただ、土地に線引きがあるだけになります。登記簿上の変更をせずに、建築基準法を満たす机上の土地の線引きを「分割」といいます。
分筆のメリット
まずは分筆のメリットについて見ていきましょう。
- 抵当権が設定できる
- それぞれに地目が設定できる
- 税金の負担が軽減されることがある
①抵当権が設定できる
例えば、乙土地を担保(抵当権設定)に1,000万円を借りたいという場合で甲土地の評価額が5,000万円だったとします。1,000万円借りるために、5,000万円の土地に抵当権を設定するというのはもったいないですよね。
その場合、1,000万円分の評価額に合わせて分筆登記をすることで、乙土地の一部を独立した土地とし、そこに抵当権を設定することができるようになります。
②それぞれに地目が設定できる
土地全体の地目が宅地の場合、一部を畑として利用したいと思っても、一部だけ畑に地目変更することはできません。
その際土地を分筆すれば、畑として利用したい部分の地目を「畑」、その他宅地として利用したい部分を「宅地」として登記することができます。
逆も然りで、農地の一部を宅地として利用したい場合は、宅地部分のみを分筆し登記することで建物を建てることができますし、残りの農地はそのまま利用することができるようになります。
③税金の負担が軽減されることがある
また、地目を宅地以外の「畑」や「田」とすることで、税金面の優遇が受けられる(安くなる)可能性が高くなります。
その他、土地の分筆の仕方によっても、土地の評価額が変わり、税金面が安くなる可能性がある点がメリットといえるでしょう。
日当たりの良い場所や、道路に面しているか否か等で、その土地の評価は変わります。
分筆のデメリット
次にデメリットを見ていきましょう。
- 使い勝手が悪くなることがある
- 土地としての価値が下がる
- 手続きに時間や費用がかかる
①使い勝手が悪くなることがある
分筆をすると、土地の使い勝手が悪くなってしまう場合があります(道路に面さない形になってしまう等)。また、分筆し地目を畑に変更してしまった場合、新たに建物を建てられなくなってしまいます。
②土地としての価値が下がる
使い勝手が悪くなると、当然に土地の価値が下がってしまいます。
売却時に評価額が低くなることがありますので、分筆は慎重に検討しましょう。
③手続きに時間や費用がかかる
分筆をおこなう場合、土地の測量や境界の確定が必要になります。
測量等の調査は土地家屋調査士へ依頼するため、費用が発生します。
また、境界の確定する場合には、隣地住民の許可や立ち会いが原則必要になります。
簡単な手続きで、分筆ができるわけではないので、注意しましょう。
分筆の流れ
次は、実際に分筆をする流れについて見ていきましょう。
分筆は一般的には、以下の流れで行います。
- 土地の調査
- 測量
- 登記申請
先述の通り、測量は専門知識を有した土地家屋調査士へ依頼する必要があります。
また分筆の登記申請には、申請書、筆界確認書、地積測量図、現地案内図等の書類を用意する必要があり、非常に手間がかかります。専門家に依頼すれば、このあたりの書類も全部用意してもらえますので、お困りの際はまず専門家に依頼する方がよいでしょう。
分筆にかかる期間
土地の測量や手続き等を踏まえると、2週間~半年程度かかるケースが多いです。
期間の幅が長いのは、境界線画定の測量が済んでいるか否かで大きく変わるためです。済んでいる場合であれば、数週間で終わりますが、済んでいない場合だと、数ヶ月かかってしまうケースもあります。
分筆の費用
分筆のための費用は、下記の2つに分けられます。
- 土地調査費用
- 登記申請費用
土地広さや形状等にもよりますが、目安は下記の通りです。
- 測量費:10万円程度~
- 筆界確認書作成費:10万円程度~
- 官民境界確定図作成費:10万円程度~
- 境界標設置費:10万円程度~
- 登記申請費:5万円程度~
- 登録免許税:分筆後の筆数×千円
過去に測量した業者に任せることや登記申請を自身で行うことで、数万円程度費用を安くすることができますが、登記申請、特に分筆はそう多くあることでもないため、専門家の中でも経験がない者もいます。
やはり熟練した専門業者に依頼することをおすすめいたします。
分筆して相続する際の注意点
不動産、特に土地を相続する場合に、共有状態を避けるため、遺産分割協議で土地の分け方を決め、それに応じて分筆することがあります。
分筆登記をするには、すでに述べたように現地調査や必要書類を用意する必要があり、場合によっては、数ヶ月の時間を要します。
その場合に注意しなければならないのが、「相続税の申告期限との関係」です。
相続税は、相続開始を知った日の翌日から「10か月」の間に申告しなければなりません。相続税の申告期限までに遺産分割協議が終わらなかった場合は、法定相続分に応じて申告・納付をすることになります。
その後(申告期限後)に、法定相続分と異なる遺産分割が行われてしまった場合には、相続税の修正申告をしなければなりません。
1度に分筆登記を行えば、費用と時間を節約することができるため、申告期限が過ぎる前に分筆を行うことをおすすめします。
共有名義の土地を分筆する際の注意点
相続後に遺産分割協議などによってすでに共有状態にある土地を分筆する際、分筆をするだけでは共有状態は解消されません。
仮に3名共有名義のA土地をa、b、c地の3筆に分筆しても、引き続き3名の共有状態は解消されませんので、分筆登記手続きと同時に各土地を、各自の単独名義に移転することを忘れないように注意しましょう。
中央プロパティーでは、測量や境界確認にも対応しております。
共有名義不動産のご相談は、中央プロパティーへお問い合わせください。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で共有物分割や遺留分侵害額請求など相続で発生しがちな不動産のトラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。