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共有されない相続財産|弁護士Q&A

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共有されない相続財産

相続財産は遺産分割協議が終了するまでは、共有状態と聞きますが、共有にならない相続財産はありますか?

詳細解説

共有される財産の代表例は土地や建物の不動産です。それでは、共有されない相続財産にはどういったものがあるのでしょうか。

その代表としては、預貯金があります。預金・貯金の払戻請求権は、相続開始によって当然に共同相続人がその法定相続分に応じて個別に取得することができるものと解されています。よって、原則として遺産分割の対象とはなりません。

そのため、被相続人が残した預貯金は共有されない相続財産になるため、たとえ遺産分割協議をしていなかったとしても、相続の開始によって自分の相続分については個別に払い戻すことが可能となっています。

  • しかし、実際には銀行側が後にトラブルが発生することを懸念し、相続人全員の合意がない場合は、払い戻しに応じてくれないケースがほとんどです。

預貯金ではなく、現金の場合

それでは、現金の場合はどうでしょうか。現金は預貯金の払戻請求権と異なり、相続開始と同時に共同相続人にそれぞれの法定相続分に応じて当然に分割されるわけではありません。

現金はあくまで有体物である動産と解することができます。そのため、預金・貯金払戻請求と異なり当然に共同相続人に分割取得されるものではなく、遺産分割によりはじめて個別の具体的相続分が定まるものとされています。

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。共有物分割訴訟、遺産分割調停、遺留分侵害額請求など共有持分をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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