主物・従物・附合物とは
主物・従物・附合物とは
- 主物:その常用に供するために、従物が付属させられている物
- 従物:主物の利用を継続的に助けるために、それに結合させた他の物
- 附合物:不動産(または動産)に附合した動産のこと
主物と従物
民法87条1項:「物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。」
民法87条2項:「従物は、主物の処分に従う。」
例えば、土地を売却すれば石灯篭や庭石も移転し、建物を売却すれば、付属しているエアコンも移転する等です。主物と従物は運命共同体です。主物が処分されれば、従物にもその効果が及びます。主物の効用を助けるものが従物ですが、ある物が従物か主物とは独立した物なのかは以下を基準に考えられます。
- 継続的に主物の効用を助けるものであること
- 場所的に主物に附属すると認められる程度の関係にあること
- 主物と同一の所有者に帰属すること(この要件を不要とする考え方も有)
- 独立した物であること。
附合物
民法242条:「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。
例:分離できない造作は建物の附合物であり、取り外しの困難な庭石は土地の附合物。
附合物は不動産の構成部分であるから、不動産を売買すれば当然に附合物を売買したことになり、また不動産に抵当権を設定すれば、当然に抵当権の効力は附合物に及ぶことになります。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で共有物分割や遺留分侵害額請求など相続で発生しがちな不動産のトラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。